DAYS
第29章 エメラルド O×S
O side
撮影がいつもよりも早く終わった今日。
だって俺、今日めっちゃ巻いたからね!?
セリフミスだって、
片手で数えられるくらいだったから。
え? 何でかって?
そりゃー、愛しの嫁と
長く過ごしたいからに決まってるじゃん。
ワクワクしながら
エレベーターを降りて。
ワクワクしながら、玄関のドアを
開けたら、愛しの嫁がー…
「おかえりなさいませ、ご主人様♡」
「…は?」
今日は急いで帰ってきてね、と
嫁からの催促があったから、
マッハで終わらせてきた。
珍しく、メールに♡がついてた。
で、玄関開けたらこれ。
ふりっふりのメイド服を着て、
頭にふりっふりのカチューシャを付けた
メイド…じゃなくて、翔がいる。
ご丁寧にニーハイまで履いちゃって。
絶対領域…。
もうあっけに取られて、
ポカンとしてる俺。
そんな俺に、翔は勘違いしたみたいで
「…っ。
やっぱりダメじゃん!
も、やだ。」
そう言って、リビングの方に
ものすごいスピードで走ってった。
翔が風を切って走るたびに、
スカートが捲れ上がって、
何かがチラチラ見えてる。
ガーターベルトじゃない!?
手の力が抜けて、
持ってたカバンを落としてしまった。
「ちょ、ちょ、待って翔!」
だいぶ出遅れたけど、
ダッシュで追いかけた。
撮影で社長になって、
家に帰ってメイド追っかける俺って…。
だけど、そんな訳わかんない状況も
なんだかんだ楽しんでる俺。
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