
DAYS
第28章 ヤキモチの答え M×A
開いた口が塞がらなくなった。
抱かれるって…。
俺が? 雅紀に?
「ええ!?」
「潤、反応おっそ…。」
いやいや。
今までずっと雅紀のことを
抱いてきた側なのに、すぐに
「うん。いいよ。」
って受け入れたほうが怪しいだろ。
だけど、雅紀が冗談で言ってるわけ
ないっていうのは分かる。
雅紀はいつだって、本気だから。
「抱かせて」って言った雅紀の言葉を
すぐに飲み込むことなんて出来なくて。
嫌とかじゃない。
抱かれたくないわけでもない。
何だけど…。
「…ダメ?」
「いや、ダメとかじゃないけど…。」
「俺、潤のこと全部知りたい。
潤の全部が欲しいの。
そうしたら俺が潤のことを
好きだって、信じてくれるでしょ?
ずっと俺と一緒にいてくれるでしょ?
もう離れなくていいでしょ?」
…そんな顔で、そんなこと言うなよ。
今にも泣き出しそうな顔の雅紀。
震える声で俺の名前を呼んでて。
信じて、って言った雅紀。
そう言わせる不安を作ったのは
紛れもなく俺だ。
雅紀を信じることが
出来なかったんじゃなくて、
自分を信じることが出来なかった。
雅紀のせいなんかじゃない。
俺のせい。
「雅紀にそんなこと言わせて…ごめん。
…俺の全部、とっくに
雅紀のもんだよ。
気持ちも、俺の人生も、残りの命も、
時間も、全部。
離れるわけない。
ずっと一緒にいるって、約束したから。」
「…っ、じゅんー…っ。」
「わっ!」
とうとう泣き出した雅紀が、
俺にいきなり抱きついてきた。
いい歳した大人が、
廊下で抱きあってる。
「雅紀、場所変えよっか。」
もう俺も覚悟を決めよう。
雅紀の手を引いて、寝室のドアを開ける。
お母さん、俺…。
今日、バージンを失うから…。
