
DAYS
第24章 じゃなくって A×N
仕事が終わったのは、
もう面会時間を過ぎたあとだった。
「マネージャー!病院行ってよ!」
「でも、面会時間はー…。」
「にの、今日は諦めな。」
「嫌だ。」
会いたかった。
今すぐに。
話したいことがいっぱいあるもん。
今すぐに伝えなきゃいけないことが
いっぱいあるんだもん。
会って話して、ちゃんと言わなきゃ。
終わりにしたくない。
終わらせたくない。
「でも…。」
「お願い!」
マネージャーは困った顔をしてる。
無茶な要求だって分かってる。
マネージャーに言ったって、
仕方がないって。
だけど、どうしても会いたい。
この衝動が何から来るのか分かってる。
上手く言い表せないこの気持ちが
何なのか、分かってる。
「とにかく今日は諦めてもらって、
明日の朝一番に行きましょう。」
「嫌だ!」
「にの!」
肩をがっと掴まれた。
大野さんの手だった。
「落ち着けって。
迷惑かけるな。ほら、帰るぞ。」
「あ…っ。」
「ほら。」
大野さんの口調は、いつになく硬い。
俺の腕を掴む手が痛い。
大野さんの言う通りだ。
迷惑かけてるのも分かってる。
マネージャーにも、
病院の人にだって迷惑をかける。
こんなの初めてだった。
いつもなら、
「はい。」って大人しくなるよ。
だけど、今日だけは…。
「やだ。やっぱり行く。」
「っ、にの!」
「お願いします!」
こんなに大勢の前で。
しかもメンバーの前で
頭を下げるなんて初めてだった。
そうだよ。
今日の俺、おかしい。
「ちょ、にの!?」
「俺、相葉さんにひどい事
したの。
俺、謝らなきゃいけないの…。
俺、俺っ。」
「え、嘘。泣いてるの?
にの?落ち着いて!」
心配してる翔ちゃんの声や、
松潤の声が聞こえてくる。
また涙が出てきた。
昨日あれだけ泣いたのに。
泣くな、二宮。
今泣いちゃ…
「もういいんじゃない?」
「うん。そうみたいだね。
もういいよ、相葉ちゃん。」
「…へ?」
入口には、俺の会いたかった人。
