ポシェット
第21章 サヨナラ
溶け出してしまった愛情が
もうもとには戻らないってこと
きっとお互い気付いてたはずだ
それでも口には出さなかった
遠い未来に夢を馳せて
ごまかすことをやめなかった
残った抜け殻
抱きしめて
思い出の眠る引き出しを開ける
月一程度の逢瀬でも
意外と溜まるものなんだね
あなたとの日々を
思い返すだけで
夜は駆け足に過ぎていってしまう
涙一滴流れなかった
いつか誰かに
上書きされてしまう思い
刻みつけておきたくて
拙い言葉で懸命に書き殴っても
どうしてだろう?
指先の震えだけ
おさまらない
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