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いつまでもここに居て

第13章 相合傘 濡れてる方が 惚れている[54]



あの時は潤が話しかけてくれた。
俺なんかはゲームぐらいしか話すことが無いし、潤に話しかけるネタが無かった。
けど、潤は雑誌に載っていたデートスポットを指差して、「二宮はどこに行ってみたい?」って聞いてくれたのだ。
あの時俺は「どこでもいい」そう言った。
俺は正直話を切りたかった。
そう思っていたのに、俺のこと嫌いなくせにニッコリ微笑むと、俺はここに行きたいな。と指を指して話を続けたのだ。

話すキッカケが無いなら今やるべきか。
これを逃したら本気で話す事がなさそう。
そう思って、ゲームをOFFにして話を聞く体勢に入った。

しばらく話していると
行きたい理由がしっかりしていて、仕事のこと、相手のこと、そして、勉強になること。
しっかり潤の中にも仕事上のルールがあって、そんなプレッシャーの中でも相手とどれだけ楽しめるか。という事を考えていた。
それを聞いてから、
(ああ、なんだ。コイツなら仲良くなれそう。)
と感じ、それからは今までを取り戻すようにみるみる仲良くなっていった。

「でね、最後にこの場所で…」

最後になにか大切な事を言っていたはずなのに記憶にノイズが走り、忘れてしまった

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