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いつまでもここに居て

第13章 相合傘 濡れてる方が 惚れている[54]



ポロッと箸が落ちた。カランカランと音を立てて床に落ちた。目がまだ俺の言ったことを信じていない。…そんなに驚くことか?
「え、ニノ…それ本当?もっ、もちろんだよ!ニノ手伝ってくれるなら毎日君の為にここのお店よりも美味しいもの作ってあげるから!!!」
潤は興奮してるのか立ち上がって訴えてくる。
あまりにも潤の声がでかすぎて辺りが静かになる。


「…じゅ、潤…」
「あっ、いや、その、このお店よりは出来ないけど、ちゃんと美味しいもの作る自信はあるから…」
すっと座り込むと、声のボリュームも小さくなり、最後の方なんか俺ぐらいしか聞こえない。
極端なんだよ。潤はさ…。


顔を真っ赤にしてる潤にお店の人がおずおずと
「あの…新しい箸をお持ちしました…」
と箸を差し出し、「お幸せに…」と告げて去って行ったせいで更に顔が真っ赤になった。

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