
1人じゃなくて。
第2章 No.2
「お?もう起きたのか。まだ7時だぞ。」
…知らない男だった。
25歳くらいの、碧がかった黒髪がよく似合う長身。
恐ろしい程に整った顔立ちに、少女は目を惹かれた。
「………なに、俺の顔に何かついてんの?」
不機嫌そうに眉をよせた男は、少女の寝具に近づいてくる。
「……え……な…、ちょ……こないで……。」
頭が混乱する中、周りの全てを威嚇するかのように、少女は広いベッドから逃げた。
「なんだよ。別に捕って食いやしねぇよ…。……………それより、体調どうだ?」
「……………え?」
見知らぬ男にいきなり体調を聞かれ、目を見開いた。
「だ―か―ら―、体調。からだの調子!足以外に痛い所とか、熱っぽいとか。」
