
1人じゃなくて。
第8章 No.8
「っ!んんっ、んあああ!………ふぅっ…」
色づきのいい先端に
唾液を塗りたくり
また食らいつく。
『……ちゅっ………はぁ、……声抑えて。』
「やっ………む、り!」
いつのまにか、一樹さんの首に手をまわしていました。
求めているはずないのに
止めてほしいのに…
あぁ…わかった。
耐えてるんだ。
怖いんだ、この感覚が。
「い、つき…さっ………ヤダッ!怖い……!」
『…………奈瑠ちゃん…俺、酷いことしてるんだよ?なのに身体……預けてくるって…』
また揺らいだ。
どうしてだろう
私を見る一樹さんの瞳が
たまに優しく
寂しそうに私を写し出す。
「…………っ…どうしてそんな顔するんですか?」
『…っ!』
あ…また…
「あなたは悪い人なのに…………どうして、そんな寂しそうな顔っ…!」
やめてよ……
私が泣いた時と同じ顔するの………
