
1人じゃなくて。
第7章 No.7
───グイッ──
「!?」
いきなり両手を掴まれ、もの凄い力で頭の上に縫いつけられる。
『いいね…その顔。誘ってんの?』
ツーっと首もとを舐められて
なんだか熱いものが込み上げる。
「や………あっ!」
知らない感覚が波のように押し寄せてきて
その時は頭が真っ白でした。
『ねぇ………俺、優しくないよ。素敵でもないよ。でもね』
また、一樹さんの顔が私の鼻先まで近づく。
『親の前でも、イイ子を演じてるから。………声は出すなよ』
その目は
その表情は
初めて会った光さんの
あの顔と似ていました。
『もしばれたら………ん~…………一日中奈瑠ちゃんを抱いてあげる』
ドクンッ
「だ…く……?」
『そう。奈瑠ちゃんがおかしくなるまで、俺との秘密が大好きになるまで…………大切に犯してあげる』
妖しく光る目には
少しだけ……寂しさが出ている気がした。
