先生…お願い。早く治して・・・
第55章 平気なわけがないだろ!でも俺は医者だから…
『んっ…っっく…』
私はその後もしばらく涙が止まらなかった。
石川先生もきっと忙しかったと思うが、私が落ち着くまでずっと側で付き合ってくれた…
石川は白衣のポケットから携帯を取り出すと、
「宮田、悪いが高の診察室の前まで来てくれるか?」
そう言うと、また携帯をポケットにしまった
「先生この後、また診察に戻らないといけないから、宮田に迎えに来てもらうからね」
『……ぅん。』
「ゆっくりで良いよ。焦らないで良いからな!」
私は小さく頷き
私は着替えを済ませた
「よしっ、じゃぁ行こうか。」
石川はそう声を掛けると、綾をお姫様抱っこで持ち抱えた
『え?せ、せんせぇ?!!』
「ん??中いじられて、まだ歩くと痛いだろ?」
私は石川先生に抱き抱えられ治療室を出た…
治療室のドアを開け外に出た途端、待っていた患者さん達の目線を一気に感じた…
考えてもみれば、たったのドア一枚…
話している声は聞こえないだろが、泣き叫んでいた声は筒抜けだったはず…
石川先生は相変わらず、周囲の目線は全く気にならない様だ
私は恥ずかし過ぎて、先生の胸に顔を埋めた。
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