
誰かお願いつかまえて
第9章 女たちの戦い
「…顔が更に不細工になってますよ?」
私の方を見もしないくせに隣からそう言われた。
『…分かってますよ。元より、張り合う気もないし』
岡崎さんは顔も性格もいいし、仕事もできるし、とにかく欠点が見当たらない。
そういう人には誰からも愛されるような淑女が相応しいと思う。
「…私、あなたみたいなタイプ嫌いです」
唐突に嫌い宣言されたけど、最近いろいろあったせいか、特にダメージはなかった。
「綺麗になる方法なんていくらでもあるのに、その努力をしないで綺麗な人を羨む。
元から持ってるものがよかろうが悪かろうが、努力せずにはそれを維持、向上はできないんです。
だからあなたが見とれている方も、見もしてない方も、努力もしないあなたには、どちらも不釣り合いです」
……そっか…私、何もしてないか……って!!
『見とれてないですから!!』
「安心してください。今日だけは、今だけは私が持つ全ての力をもってして
綺麗な女性に仕上げましたから」
……無視ですか…こうでなければユズについていくなんてできないかも。
