誰かお願いつかまえて
第8章 持つべきものは………
先に緊張を解いたのは岡崎さんだった。
「やっと、認めたな……
まったく厄介なライバルだ」
そう言ってジョッキを呷る。
「……俺のこと、認めちゃっていいんですか?」
警戒されて今までの関係は崩壊するかと思ったのに。
「今まで気持ちを認めない面倒くさい部下が、
気持ちを認めた生意気で厄介な部下に変わっただけだからな。
……本当に厄介で面倒くさいのは、お前が仕事もできる上にいい男ってとこだ」
この人、自分のことを棚に上げて何言ってんだ?
でも岡崎さんに評価されてたんだな……
「あ、勘違いするんじゃないぞ!俺は幸村がお前と仲が良いから一緒にいるんだからな!
じゃなかったら誰がお前みたいなやつを部下にするか………」
「……はい」
今のは照れ隠しととっていいのか?
「岡崎さん、俺はあなたのこと尊敬してますよ?
…幸村に手を出したこと以外の点で」
「おまっ!一言多いんだよ!」
そう言って頭をクシャクシャにされる。
でもあの日、アイツの隣に人がいてよかった………
手を出すのは論外だけど!!
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