誰かお願いつかまえて
第6章 ペットでもいいから
『私、確認事項があるので…』
そう言ってフロアから出てしまった幸村。
それに伴って南も自分のデスクに戻る。
アイツ、明らかに意識してんだろ。
じろっと岡崎さんを見ると、いつもの笑みを浮かべている。
「川端」
「…何ですか?」
「大事な話がある。会議室に行くぞ」
「え、ちょ!」
行くとも言っていないのに先に行ってしまった…
仕方なくついていく。
――
「失礼します」
絶対に仕事の話ではないと思っていた。
「俺に……なにか言いたいことはないのか?」
冷たい声。
幸村には決して見せない、鋭い目と凍りつくような声。
なにが"ほんわか"だ。俺にはこんなの日常茶飯事だってのに……
「なんのことですか?特に思い当たることはないんですけど」
「俺にはある。
お前、なんで幸村のところに行かなかった?」
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