誰かお願いつかまえて
第5章 夢か現実か
――
「幸村、家ついたぞ?」
家に到着したところで彼女を起こす。
もう遅い時間になってしまってあたりには人も通らない。
(残業するとこんな時間に帰ることになるのか…?
危ないな……)
『…んぅ』
だからそういう声を出すなって…
「起きたか?」
『……はい。…ありがとうございます。
今日はいろんなところに連れていってもらって…髪まで変えてもらって、ありがとうございました!
澪玲さんにもお礼言っておいてもらえますか?』
「あぁ、分かった。俺も楽しかったよ」
幸村はドアを開けて降りようとする。
(……あれってもしかして……!)
俺は前方から歩いてくる男に気づいて一緒に降りた。
『昨日、今日とご迷惑おかけして…今度なにかさせてくださいね』
幸村は全くアイツに気づいていないようだ。
(…それなら)
俺は幸村に近づいた。
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