残飯ガール
第3章 もう少しだけ…
てか、
理紗ちゃんに「移動するのめんどくさい」って言われて、結局また一人でこの部室に来てしまったんだけど……
やっぱりこいつと二人っきりは嫌だ!!
お弁当食べれるのは嬉しいんだけど、イケメンと一緒にいると緊張する…。
「細野、だっけ?」
「…っ…」
突然名前を呼ばれて、あたしは箸で挟んでいた肉を思わず落としてしまった。
「あああっ…!」
なんとか左手でキャッチする。
それを見て、また久我くんがブハッと吹いた。
「い、いきなり話しかけないでよね!」
あたしはフンッと鼻を鳴らし、左手でキャッチしたお肉を口に運んだ。
「わりぃ、わりぃ。いやさ、残飯処理係なんてよく引き受けてくれたなと思ってさ」
「は? あなたが無理矢理任命したんでしょ!?」
「いや、そうなんだけど、律儀に毎日食べに来てくれるからさ…」
「……」
そうだ、嫌なら来なきゃいいんだよね…。
だけど…
「だってあたしが食べなかったら、この子たち捨てられちゃうんだもん。そんなもったいないことできないし」
そう言ってあたしは二つ目のお弁当箱の蓋を開けた。
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