
君は少しも悪くない。たぶん
第6章 One Step
店は20時に予約していたので、そのぐらいに着くように家を出れば良かった。
「さとしくん」
ぼーっとしてた時に、シゲが突然声をかけてきた。
「ん?どうした?」
「いま、俺さぁ…」
シゲがソファーに座る俺に目線を合わせ、ゆっくりと近付いてきた。
「さとしくんのこと…たべたい」
俺がその言葉の意味を理解する前に、シゲは俺を押し倒した。
「ちょっ、シゲ?」
俺の言葉を止めるように、柔らかい唇が俺の口を塞いだ。
シゲの舌が、間から侵入してきた。
俺の舌はいとも簡単に見つけられ、絡みとられる。
息苦しい。
「ん…」
一瞬離れた隙に息をすると、またその空気を吸いとられるような、キスをした。
今までで1番、濃厚だった。
頭が痺れてきたとき、ようやく口が離れた。
「さとし…すき」
シゲは俺のシャツのボタンを1つずつ外した。
胸元が、涼しい。
