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サバイバルヘルパー

第7章 食料調達

 漬け込んでいたカエル肉を洗い、水と海水を入れた鍋に放り込んで、グツグツと煮詰めた。


 ただそれだけで、出来上がったのが、カエル肉の塩スープ。


「こうやって見ると、普通の鶏肉に見えるんだけどな」


 見た目に安心し、少し口をつける。

 カエルから出た出汁が、ただの薄めた海水に風味を加えた。


「あ、うまい。まあまあ、大丈夫じゃん。ほとんど鶏肉だわ」


 小梅も一口だけ食べた。


「どうだい、婆さん」


 小梅はモゴモゴと口を動かしたあと、一言。


「かしわっ!!」


 それだけ言うと、手を合わせてお辞儀をする。


「かしわ……うん、かしわ……かしわだね」


 美味いとか不味いとかではなく、ただ、似た素材を発しただけで、なにも感想はなかった。


 おそらく、美味しかったのだろうと、俊輔はそう解釈した。


 ある程度冷めた、煮沸済みの水をペットボトルに入れ、木陰に置いた。風通しもよく、地面も冷たい。冷蔵庫までとはいかないが、冷たくはなってくれるだろう。


「これでOKと……さて、午後から……てか、いま、午後なのか?」


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