
お嬢様♡レッスン
第113章 葛城の闘い
葛城が橘の動向を探る様になってから、数日の事だった。
恐らく、彼女の自信の根拠ではないかと思われる現場を柏原が確認したと報告して来た。
「橘さんはどうやら副社長と身体の関係があるようです。そればかりでなく、常務とまで…。汚らわしい」
柏原は軽蔑を言葉に滲ませ、吐き捨てる様にそう言った。
「物的証拠はありますか?」
「え?いえ…」
「そうですか…。証拠となるものが無ければ、唯の言いがかりになってしまいます」
そう言うと葛城は椅子に深く凭れて窓の外に視線を移す。
彼は暫く考え込んだ後、ある物を準備する事を柏原に伝えた。
盗聴器。
それを副社長と常務の役員室に取り付ける。
彼女が社内で確認した事が事実であれば、それは再び起こる可能性がある。
どちらかとでもいい。
別に橘を脅すつもりはないが、自分の身に危機を感じて貰う事。
自分がどれだけ浅はかであり、それがどれだけ自分の価値を下げているか。
それを知らしめ、気付かせる為の一つの手段として、それが必要なだけだ。
盗み聞きをするのは趣味ではないが、致し方ない。
葛城はスマートフォンを取り出すと、ある人物に電話を掛け、盗聴器の手配を頼んだ。
恐らく、彼女の自信の根拠ではないかと思われる現場を柏原が確認したと報告して来た。
「橘さんはどうやら副社長と身体の関係があるようです。そればかりでなく、常務とまで…。汚らわしい」
柏原は軽蔑を言葉に滲ませ、吐き捨てる様にそう言った。
「物的証拠はありますか?」
「え?いえ…」
「そうですか…。証拠となるものが無ければ、唯の言いがかりになってしまいます」
そう言うと葛城は椅子に深く凭れて窓の外に視線を移す。
彼は暫く考え込んだ後、ある物を準備する事を柏原に伝えた。
盗聴器。
それを副社長と常務の役員室に取り付ける。
彼女が社内で確認した事が事実であれば、それは再び起こる可能性がある。
どちらかとでもいい。
別に橘を脅すつもりはないが、自分の身に危機を感じて貰う事。
自分がどれだけ浅はかであり、それがどれだけ自分の価値を下げているか。
それを知らしめ、気付かせる為の一つの手段として、それが必要なだけだ。
盗み聞きをするのは趣味ではないが、致し方ない。
葛城はスマートフォンを取り出すと、ある人物に電話を掛け、盗聴器の手配を頼んだ。
