
お嬢様♡レッスン
第122章 【番外編】秘書のお仕事Ⅰ
そんなハードな業務も、すっかりこなせるようになった橘・須藤・柏原の秘書室3人娘はランチを共にし、午後の業務開始前にお手洗いで化粧直しをしている。
「明日何を着て行くの?」
顔の皮脂をあぶらとり紙で抑えながら、橘あかりが二人に尋ねた。
「ん~?接待に着て行く時のスーツ」
マスカラで睫毛を上げながら、須藤が答える。
「私も同じようなものよ。秘書なんだし、それらしい恰好の方がいいと思って…」
柏原もパウダーで抑えながら、答えた。
「やっぱり、そうなるわよね」
橘は二人の答えを聞くと頷く。昔の橘であれば、目立つ事を考え煌びやかなドレスを新調しただろう。
しかし、今の彼女は裕福な家庭で育った甘ちゃんではなく、きちんとした秘書としての節度あるマナーが身に付いていた。
度重なる失恋が、彼女を成長させたのだ。
一度目は葛城に。
二度目は黒崎に。
しかも二人共同じ女性を好きだと言う。
彼等の大切な女性に、明日は初めて見える事になる。
彼等を虜にした女性──杜若綾芽。
一体どんな人なのであろうかと、興味が湧く。
写真を見たことのある須藤曰く『可愛らしくて魅力的な人』らしいのだが、橘は未だにそれを見せて貰った事がない。
と言うよりも、橘の研修が終了して直ぐに葛城はその婚約者を迎えにイギリスへと旅立った後、本部へと戻ってしまったからだ。
「明日何を着て行くの?」
顔の皮脂をあぶらとり紙で抑えながら、橘あかりが二人に尋ねた。
「ん~?接待に着て行く時のスーツ」
マスカラで睫毛を上げながら、須藤が答える。
「私も同じようなものよ。秘書なんだし、それらしい恰好の方がいいと思って…」
柏原もパウダーで抑えながら、答えた。
「やっぱり、そうなるわよね」
橘は二人の答えを聞くと頷く。昔の橘であれば、目立つ事を考え煌びやかなドレスを新調しただろう。
しかし、今の彼女は裕福な家庭で育った甘ちゃんではなく、きちんとした秘書としての節度あるマナーが身に付いていた。
度重なる失恋が、彼女を成長させたのだ。
一度目は葛城に。
二度目は黒崎に。
しかも二人共同じ女性を好きだと言う。
彼等の大切な女性に、明日は初めて見える事になる。
彼等を虜にした女性──杜若綾芽。
一体どんな人なのであろうかと、興味が湧く。
写真を見たことのある須藤曰く『可愛らしくて魅力的な人』らしいのだが、橘は未だにそれを見せて貰った事がない。
と言うよりも、橘の研修が終了して直ぐに葛城はその婚約者を迎えにイギリスへと旅立った後、本部へと戻ってしまったからだ。
