
お嬢様♡レッスン
第118章 Last Lesson♥幸せになりましょう
「それじゃあ、莉玖。出してくれるかな?」
宗佑が御者台の上の莉玖に声を掛けると彼は『畏まりました』と答えて、手綱を繰る。
馬達がカポカポと音を立てながら、石造りの道の上をゆっくりと歩き出した。
温室で育てられた早咲きのアヤメの紫色の花弁が沿道を飾り、春風に揺れている。
この日の為に、柳瀬が育てデコレーションしたのだ。
「今日は天気が良くて良かったね?」
春の柔らかい日差しを受けながら、宗佑は隣の綾芽に微笑んだ。
綾芽は宗佑に笑みを見せると頷き、彼の手を握る。
「お祖父様の日頃の行いのお陰ですね?」
「ははは。きっと綾音と泰芽がキミの姿を見ようと雲を蹴散らしたに違いないよ」
そう言って宗佑は声を上げて笑った。
式場となっている庭の一角まで来ると、馬車が停まる。
宗佑と莉玖の手を借りて綾芽が馬車を降りると、安岡女史が彼女のベールとドレスの裾を手に持った。
参列者の温かい拍手に迎えられながら、綾芽は宗佑と腕を組みバージンロードの上を行く。
その先には白の燕尾服に身を包んだ葛城が微笑みを湛えて、彼女が自分の許へと歩み寄るのを見守っていた。
奥には式台が設置され、更にその奥には友人代表の証人として恵莉奈と姫川が綾芽を待っている。
宗佑が御者台の上の莉玖に声を掛けると彼は『畏まりました』と答えて、手綱を繰る。
馬達がカポカポと音を立てながら、石造りの道の上をゆっくりと歩き出した。
温室で育てられた早咲きのアヤメの紫色の花弁が沿道を飾り、春風に揺れている。
この日の為に、柳瀬が育てデコレーションしたのだ。
「今日は天気が良くて良かったね?」
春の柔らかい日差しを受けながら、宗佑は隣の綾芽に微笑んだ。
綾芽は宗佑に笑みを見せると頷き、彼の手を握る。
「お祖父様の日頃の行いのお陰ですね?」
「ははは。きっと綾音と泰芽がキミの姿を見ようと雲を蹴散らしたに違いないよ」
そう言って宗佑は声を上げて笑った。
式場となっている庭の一角まで来ると、馬車が停まる。
宗佑と莉玖の手を借りて綾芽が馬車を降りると、安岡女史が彼女のベールとドレスの裾を手に持った。
参列者の温かい拍手に迎えられながら、綾芽は宗佑と腕を組みバージンロードの上を行く。
その先には白の燕尾服に身を包んだ葛城が微笑みを湛えて、彼女が自分の許へと歩み寄るのを見守っていた。
奥には式台が設置され、更にその奥には友人代表の証人として恵莉奈と姫川が綾芽を待っている。
