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未知夢

第8章 時間

 繁は警察署から少し離れた場所にある公園の、木陰の下のベンチに座っていた。


 相変わらずの猛暑の中、久しぶりの外の空気に当たり、冷たい缶コーヒーを片手にボォーッとしていた。


 覚えのない殺人容疑で誤認逮捕され、その後、真犯人となる者が現れて、自首してきた。しかも真犯人が出てきてすぐ、適当に追い出され、どうしていいかわからず、路頭に迷っている真っ最中。


 さらに、犯人と指紋がすべて一致しているいう奇想天外な、天然コントと呼べるような事態で幕を閉じた。


 世間は自分をどう見てるのだろうか。


 それが原因でバイト先をクビにされ、いま完全フリー状態だ。


 電話すれば、解雇宣告される始末。


 救いは、ある程度貯まった貯金だ。


「やべ、5万ほどしか残ってないわ」


 次の仕事が見つかるまでは、それでしばらく身を潜めるしかない。


 隣の亀代おばちゃんの証言でもなんとか助かっている。


 お礼はしておきたいと思い、お菓子の詰め合わせでも買って、訪ねることにした。



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