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未知夢

第5章 訊問

 そこは、いろいろな刑事ドラマで見たままの、取調室。


 繁は、身に覚えのないことで逮捕、連行されていた。


 覚えがない容疑。森屋が死んだ。それも殺されて……。


「ちょっと待って!? 意味わかんない」と何度も呟いた。


 いま繁は、テレビのサスペンスドラマでよくあるシーンの、実際にある本物を実体験している。何が行われてるのか咄嗟に判断出来なかった。


「冤罪だ!! やってないって」と主張する。


「でもねぇ、被害者の森屋さんの家に凶器とされる果物ナイフがあったの。それに、ベッタリとあんたの指紋が付着してたのよ。疑いないでしょ」


「ほんま!? それ、俺がリンゴ剥いただけじゃねえのか!?」


 昨日の朝に、目が覚めた嫁の由佳里がリビングで血を流して倒れてる森屋を発見し、警察に通報。争った形跡もあったようだ。


 昨夜から来て一緒に飲んでいた、滝繁に犯人という白羽の矢が立てられた。


「白羽の矢の使い方が違うっての……」



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