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未知夢

第2章 再会

 話は二日前に遡る。


 時は2025年8月。


『シャイシャイシャイシャイシャイイィィィーーー』


 蝉がけたたましく合唱する、真夏の水曜日の午前中。


 暇をもてあました繁は、真っ赤なTシャツに柄のある短パンと草履姿で、大阪駅周辺をブラブラとうろついていた。


『ヨバドシ』と、いう大型電気店で、買う気もないのに家電製品を眺め、お試しのマッサージチェアで体をほぐしていた。


「はぁ……」


 30を過ぎても、いまだにフリーターで生計を立てている自分に、もどかしさを感じていた。


 現在はカラオケ店と、レンタルDVD店でアルバイトをしている。


 合わせての月収が20万そこそこ。これでは結婚も出来ない。そんな気持ちから、いつも呟くのが……。


「はぁ、どこかに5億円でも落ちてないかなぁ……」


 昨日は10億落ちてないかと思ったが、額が減っても、まず落ちているものではない。



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