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未知夢

第10章 身心

 釈放されてから、かなりの時間を体感している。午前中から今までが、ものすごく長く感じた。


 このハンバーガーも、久しぶりに口に入れる食べ物の様な気がした。


〔実際は約13時間くらいだ〕


「え? なんで、考えてることがわかったんです?」


〔そりゃわかるよ……俺は……お前の心だから〕


〔「そんなアホな」〕


 二人同時に言った。


「えっ!?」


〔だろ!〕


 繁はその人物の顔を見た。


 よく見るとそれは……自分だった。


「うわっ!!」


 ハンバーガーを持つ手に力が入り、ケチャップが溢れ出る。


〔まあまあ落ち着け、リアクションが薄いのは承知だ〕


「そんな指摘いらんわ!! てか、なんなんだ?」


〔言ったじゃん、お前の心。つまり、俺は滝繁自身〕


「あっそ」


 繁はハンバーガーを頬張りはじめた。




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