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ネムリヒメ.

第26章 夜明け.





「バカね……貴方たちが早く治さないと、彼女が気にするでしょ…」

「………」


あ…

わざわざ葵くんに呼び出されてここに来てくれたってことは少なくともそうだよね…

きのうの今日だもの、聖くんと雅くんのケガの原因は間違いなくアタシだ

葵くんが瑠美サンにどこまでどんな風に話しているかはわからないけれど、きっと葵くんのことだ

彼女に伝える際にだって最大限の配慮をしてくれたんだろう

さりげなく吐かれた彼女の言葉に優しい気遣いのできる葵くんの面影が重なった

あぁ、姉弟なんだな…と

葵くんって面倒見がいいからてっきり兄弟がいるなら弟とか年下かなって思ってたから、お姉さんの存在にはそもそもびっくりだったけど

しかも、超絶美人で超絶キャラの濃いこんなお姉さまとのご対面がまさかこんなタイミングでとかどうなの!?とか最初は思ったけれど…

でもなんだか今は、ものすごく納得できる


「ま、誰かを守るために負った傷はオトコとししちゃ名誉なコトだけどねっ♡」

「……!!」


まるでそんなことは気にするなと言わんばかりにバチリと音をたててこちらに飛んでくるウインク

…と、思った側から雅くんの背中にバシリと渇を入れる瑠美サン


「ってぇな!!だから早く治せっつーテメェがそうやって悪化させてんだろうが。この酔っぱらいが」

「あーもう、ホントに口悪いわね。そんなアンタにだって千隼チャンはやらないんだから。葵のでアタシのよ!!」


え、ぇえ…!!





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