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ネムリヒメ.

第22章 あの夜の…….







………薔…薇!?


覚えのあるようなないようなその香りに、できる限り精一杯に回らない思考を巡らせる


が、


顎を掴まれ、振り向かされるようにして唇に押し当てられたその感触に思考が停止した



「………………!!」



な……に…

なにが起きてるの…


真っ暗になった頭のなかが真っ白になって、硬直したカラダから力が抜けていく


連れ込まれた暗闇で羽交い締めにされながら、誰かもわからない見えない相手からの口づけ…

吐息が唇を掠めて、すぐ側で微笑む声がして

煽り立てられた混乱と恐怖が更にアタシを支配していく


顎を掴んでいる手で押し開けられた唇の隙間から差し込まれる舌…


「っ……!! んっ…う…」


イヤッ…!!


ゾクリと全身を覆うような鳥肌がたって、ハッとしたアタシは咄嗟に歯をくいしばって首を振って離れようとする

しかし、逃がすまいと追いかけるような口づけに、互いの歯がぶつかってカチカチと音が鳴り、

荒々しい口づけに、唇に痛みがはしる


口のなかに広がった血の味…

それが、真っ白だった頭のなかを再び真っ暗にする


一気に煽り立てられる絶望感

それに打ちひしがれながら、次第に乱れ始める呼吸に息苦しさがどんどん増していく


「はっ…ッ…んん…っ…」


苦しくてあっという間に追い詰められ、隙をついて差し込まれた舌が生き物のようにねっとりと蜜を絡めとり、水音をたてながら口内を犯し始める





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