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ネムリヒメ.

第20章 白と黒の影.






「とか言っちゃって…残念なみっくん」

「あ?」

「あの甘ーいちーちゃんの柔肌を知らないなんて…」


含みのある笑みを浮かべながら葵は雅を横目に流し見る

そんな葵をあしらうように鼻で笑う雅


「はっ、別に興味ねぇし……

つーかお前ら、オンナなんて吐いて捨てる程いるだろうが。アイツに執着する意味がわかんねぇ、オンナなんてどれも一緒だろ」

「ノンノンノン、わかってないねぇみっくん。ちーちゃんと一緒にいてなにも思わなかったの?」

「…………別に」


葵はわざとらしく溜め息をつきながら立てた人差し指と首を横に振る

すると


「あはっ…それは愚問じゃない、葵くん」


それまで黙っていた聖が薄ら笑いを浮かべながら口を開いた


「極度のオンナ好きと極度のオンナ嫌い…
オレと渚くんを色んな意味で両極端に悪化させたシンボルが自分と雅だっての忘れないでよ。

だから雅に同じ次元で答えを求めるのは無駄無駄」


「あっ、そうねぇ…ゴメンゴメンみっくん」

「チッ…黙れ、葵」


雅を見下ろす葵の笑みはどこか挑発的で少なからず雅の神経を逆撫でるものだった

そんなふたりを更に上から見下ろす聖は言葉を続けた


「だけど、鈍感なわけじゃない。むしろ葵くんとは逆の意味で女の子に敏感なんだよ、ねっ…みーやびっ♪」

「あ!?」


雅に向かってクスッと妖しく微笑む聖

雅はそんな聖を睨みあげる




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