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ネムリヒメ.

第18章 不機嫌な Navy Blue.





ムシ!?

それとも怒る!?

でも……

ちゃんとなんか言えって言ったのそっちだからね!!


すると、渾身の勇気を振り絞って手を引くアタシに気がついた雅くんは、ハッとして表情をすぐに緩めた


が…


「…………!!」


突然、彼の手がアタシの腰にまわされた

そして驚きの悲鳴をあげる間もなく引き寄せられ、胸元にきつく抱かれる


ちょ……っ!!

な……!?

っ────!!


その瞬間、思考回路と心肺停止…

目の前が真っ白で、押し付けられた彼の胸元から柔らかい石鹸の匂いだけが鼻をくすぐる


「………!!」


あまりのことに時の感覚がわからなくなって、まるで時間が止まったかのように感じた

すると…


「悪いんだけど…」


彼から放たれる殺気が一瞬で消え、頭のうえから聞いたことのないような柔らかい声が聞こえてくる

…雅くん!?

そして…


「人違いだから、せっかくのデートの邪魔しないでもらえる」


へ……

は……!?


そして布の擦れる音がして、頭のてっぺんになにかが触れて、チュッ…と軽く音がした


っ─────!!


い…今の……なに


「…………!!」


そしてチラッと目の前の彼女を見れば顔が真っ赤になっていて…


「見せ物じゃないから、早く行って…」

「っご、ごめんなさっ…!!」


尚もアタシを抱いたままの雅くんの聞いたことのない甘い声に、フラッとよろめきながら立ち去っていく女性たち…


の、悩殺…したの!?


…っていうか、アタシも倒れそうだから!!




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