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ネムリヒメ.

第17章  極上スイーツ.





「でも…」


青い瞳は真っ直ぐアタシを捕らえ、背中に差し込まれた手は散らばった髪のなかからファスナーを探っている


「他のオトコの匂いがするんだけど…」

「っ…」

「ナギと聖とナニ、してたの!?」


目を細めたままゆっくりと背中のファスナーを下げる彼

熱い吐息と耳を掠める低い声が、ゾワゾワとした快感と一緒にカラダを火照らせる


「ん……っ…」


直に肌を滑る手の感触が徐々に下に降りて、鼻から漏れる甘いため息


「ダ…メ……」

「ダメじゃないでしょ…髪が絡まるから動かないで」


ファスナーを下げた手がワンピースの肩にかかる


「…見ちゃ…ゃ」

「なに!?」


それを遮るように彼の手に自分の手を重ねると、葵くんは不機嫌そうに眉を寄せた

涙目で彼を見つめながら首を横に振る


「それ…煽ってるとしか思えないんだけど」


吐息を吐き出した葵くんは、アタシの指を絡めとるとワンピースの肩を落とした


「っ…………」


顔を背けるアタシの肩に刻まれているのは、生々しいつけたての噛み跡

首筋には無数の紅い華が散らされていて、そのシルシの主は自分だと主張するようにムスクの香りが鼻をつく


「これ…当て付け!?」


葵くんはクスリと喉を鳴らすと反対側の肩を外す


「こっちは……!?」

「ゃ…」


耳の後ろからうなじにかけて紅い軌跡を辿るように指でなぞられると、アイスクリームのような甘い匂いがフワッと漂った



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