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ネムリヒメ.

第17章  極上スイーツ.





「…………!?」

「あはっ、その顔…なに言ってるの、モテるでしょ…とか思ってる!?」

「あ……うん」


バレてるのね、そうだよね

うん、だって…

どっからどう考えたって女の子がほっとくわけないと思うのが自然で


「でもね…」


きょとんとするアタシに聖くんはどこか遠い目をしていた


「残念だけどそんなコト言ってくれるコ、オレたちのまわりには少ないから…」

「え…」


彼の言葉に耳を疑う


「もう慣れたコトだけど、オレたちをステータスとかブランドとしか思わない人間も少なくないし」


っ…

そんなの…


「ショーウィンドーに映ったオレの隣にいる自分を見て、優越感に浸って満足そうに笑うコとか、こっちが笑っちゃうよね」

「っ…」


そんなの…笑えないよ


「あはっ♪オレも渚くんも跡取りのお坊っちゃまだから、中には親の七光りって言うヤツもたまーにね、いるし。

なんにも知らないヤツにチヤホヤされても嬉しくないって話し」


七光り…

跡取り…

ステータス…

ブランド…


笑ってるけど、聖くんの栗色の瞳が儚げに揺れてハッとする


「だから…ちーちゃんみたく、鏡越しじゃなくて…

オレたちを真っ直ぐ見てくれる人ばっかりだったらいいのにね」


っ……!!


なんだか彼の笑顔が寂しそうで、胸がギューッと痛くなる




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