テキストサイズ

ネムリヒメ.

第16章 散らばるカケラ.





そしてホテルを目の前に、もうひとつ気になるコトがあるわけで…


「ところで聖くん仕事は…」

「えっ!?」


只今、平日の真っ昼間

今朝、ダイニングでのあの衝撃のやりとりがあってから、それぞれ仕事に出掛けていったんだけど、午後になって戻ってきた聖くん

まさかとは思うけど、パンケーキのために帰ってきたとか言わないよね…

すると彼は察したのか、アタシを見てニッコリと微笑む


「サボり♪」

「えっ!!」

「……なワケないでしょ♪ ちゃーんとオレはビジネスでここにきてるから大丈夫♪パンケーキは食べるけど」


そう話す彼に施されてエントランスロビーへ足を踏み入れる


ニューヨーク・アールデコをコンセプトにした建物の内部

そこはまさに、日常から一瞬にして解き放たれる高級感あふれる空間で、非日常感と心地よい高揚感が一気にカラダ包み込む


聖くんは出迎えてくれたコンシェルジュに挨拶を済ませると、アタシを手招いた

コンシェルジュの案内で落ち着いた雰囲気のレセプションルームの奥にある扉へと通させれる

その途中、カウンターのなかで女性スタッフが彼にうっとりしているのが目に入った

うん、わかるよ…その気持ち

この空間に引けを取らず霞まない聖くんの存在感

滲み出る嫌みのない品の良さ

着こなしたオシャレスーツが彼の顔立ちを引き立てているもの

そうなるよね…





ストーリーメニュー

TOPTOPへ