
不良に良好
第4章 4
はー、あいつなんなの。
気味が悪い。
「あの、夕夜くん、あの」
「あ?」
「ご、ごめんなさ…」
やべ、怖がらせたか?
「あー怒ってないゴメン。何?」
「あの、どこに行くの?」
そういえばそうだった。
「とりあえず購買。あとジュース買って、どっかテキトーな空き教室に行く」
「わ、わかった!」
なんだ、なんかこいつテンション上がってない?
「何か嬉しいことでもあったの?」
さっきはむしろ殺伐としてたけどね。
「えっ…あ…」
「なに」
「さ、さっき…初めて、名前で呼んでくれたから…」
アレ?
そうだったっけ。
「そんなことで喜んでたの?」
陽太は首がとれそうなくらい頷いた。
