
凍夜
第3章 花
レイジは、頭からサングラスを外すとニヤリと笑った。
銀さんは、店の方を見て、「塩だ!」と叫びレイジに帰れと手で払った。
レイジはウインカーを上げ、アクセルを乱暴にふかすと、南6条通りを西へと去った。
ボーイが通りに塩をまき、銀さんが私の視線に気付いて、汗を拭く仕草を照れくさそうにしながら近付いてきた。
「駄目だね、俺も。リナ見てるのわからなかった……。そうだ、ここに行っておいで。」
銀さんがポケットからマッチを取り出して私によこした。
「ソフトクリームでも食っておいで。」
私は銀さんに手を振ると、マッチの名前の店にむかった。
いつもの馴染みのバーだった。
