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雨のち曇り、時々晴れ【ARS】

第13章 ケータイ小説【翔】

所定の位置にスタンバイした潤はひどく不機嫌だった。
ピリピリしているのがこちらまで伝わる。

ゲームスタート。

案の定、潤が投げたディスクは網とは違う方向ばかりに飛んでいき、網とバズーカはほぼ出る幕がなかった。

「だからやりたくなかったんだよ!」
潤がキレた。
観客は沸いた。
潤のリアクションはジョークだと思ったらしい。

「クソッ」
潤はセットを蹴った。

一瞬にして場内は凍りついた。

俺と雅紀は顔を見合わせた。

「あれ、ヤバいやつだよ。」

潤はマジ切れしていた。

観客もゲスト達もどうしていいかわからず困惑している。

雅紀は額に汗をかいておたおたしている。

「俺しかいない。」

俺は潤に向かって歩き出した。

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