何度でも、君を。
第7章 逃亡。
…逃げなきゃ。
早く…。
「…カンナ、うち…トイレに行ってくる…。」
「…なんで?」
「え?」
「…私は学校を抜け出してまで紗羅のお見舞いに来てるのよ?」
「……あ…」
「…もっとお喋りしようよ…。」
「…でも…うち…お腹痛くなってきちゃって…!」
「…じゃあいいわよ。早く帰ってきてね。」
「…うん。分かった。」
…良かった。
まずなんとか抜け出せた…。
さて、今はトイレの個室。
いつ戻ろうか…。
もう30分は確実に経ってる。
さすがに帰っただろう…。
そろそろ戻ろうかな。
キィィー……。
「…な…んで…。」
「遅いよ、紗羅。私…もう待てない。」
…嘘でしょ…。
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