
山岸君と照井君
第35章 指先―――……
三兄弟の母は…大きく深呼吸し――――…
立ち上がる!
「よし!反省はしたわ!!
岳!!私は、もう……決めたの!
子供たちとの関わりを見つめ直すって!!
今日は、そのための第一歩!!
照井君!私は、逃げないわよ!
なんだって聞いてやる!かかって来い!!」
俺と岳心さんは…目の前に立つ小柄な女性の迫力に…
呆気にとられてしまっていた…
「!なっ、何その顔!!
そりゃぁ!今更…母親らしい事はできないけど――…」
「…母親を通り越して…お祖母ちゃんですからね」
岳心さんのツッコミに…
意気込んでいた姿が…みるみる…沈んでいく…
「―――…そうなのよね…
私…お祖母ちゃんになったのよね〜…」
表情がコロコロ変わる所は…苑心のおじいちゃんに似ている…が…
お祖母ちゃんって…雰囲気はまるでない…
