山岸君と照井君
第32章 好敵手―――……
「…俺は―――――…
霧の中を……赤い糸だけ握りしめ……
待つしか出来ない――――…
でも…死んだ様に待つのは嫌なんだ…
成績だって…
部活だって――――――…
ちゃんと…全てをこなして…苑心を待つんだ!!
だから…落ち込んでられない!泣いてる暇なんかない!!」
俺は、天井を見上げ――――…
唇を噛んだ―――――――…
「なら…俺は、友達として……
お前が泣きたくなったときの…壁になってやるよ」
「―――――…ぇ…?」
杉浦は、そう言うと……
壁の様に俺の横に立ち―――…
背を向けた――――――…
「泣きたくなったら…呼べ…
泣いたことを秘密にしてやる機能も搭載してやるから…
安心して…泣け――――」
俺より…少し背の低い杉浦の……
綺麗な背中が…
ぐにゃり―――…
と、歪んで見えた――――――――…
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