山岸君と照井君
第31章 愚か者―――……
「岳心さん…何を…」
岳心さんは、二人分の朝食を食卓に並べ……
丁度…コーヒーを入れ終わるところだった…
「――――…何って…朝食ですよ。
卵とベーコン…パンを焼いただけですが……何か?
それとも…和食派でしたか?リサーチ不足で申し訳ない」
いや…絶対…申し訳ないなんて思っていないだろう…
しかし……岳心さんが…料理…してる…
つーか…自炊してる―――…
つーか!!エプロンしてる!!
紺いろの無地で…色気は全くないが……
ドキンと……した…
「…岳心さん…料理…出来るんですか?」
コーヒーを並べながら…
席に座る岳心さんは、当たり前の様に手を合わせ食べ始めた―――――…
「―――…お手伝いさんや、家政婦を派遣されない様に…一通り覚えただけですよ。
あの家に…一生縛られたくないですからね――――…
食べないんですか?」
俺は、慌てて…岳心さんの向かい合わせの席に座る…
出来立ての朝食…
さっき“冷める!”って…来たのは…
俺を…心配して――――…?
まさか―――――…
目玉焼きも…ベーコンも…パンも…暖かい…焼きたてだ…
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