
山岸君と照井君
第21章 血の繋がる他人―――…
「――――…苑心か…」
診察室に入ると…
白衣を着た岳心兄さんが座っている…
カルテを見ながら…
僕を…チラッと見る―――…
「苑心…学校は?ずる休み?勉強しか取り柄がないのに…珍しい」
久しぶりにあったのに…
「いえ…眼鏡を壊してしまったので――――…」
「予備の眼鏡で行けばいいだろ?抜けてる…間抜けなの?」
相変わらず…岳心兄さんは、口が悪い…
「いや――――…もう、眼鏡はしたくなくて…
コンタクトを作りに…」
「プッ!!アハハハハハハハ!!苑心が?コンタクト?」
岳心兄さんは、遠慮なしに大声で笑った!
「先生!!外まで、笑い声が聞こえてます!!」
「ごめん、ごめん!苑心が面白い事を言うもんだから!」
岳心兄さんは、目に溜まる涙を指で拭い…
看護師にふざけた様に笑って見せた…
「////笑わなくて…いいじゃないですか…」
僕は、岳心兄さんの久しぶりの意地悪に…体が固くなった…
「な〜に…高校に入って心境の変化か?
色気付く年なの?童貞苑心君?」
「///どっ…童貞は関係ないでしょ!!
コンタクトなら、すぐ出せますよね!!
この後、学校に行きますから…早く仕事してください」
僕は、なるべく岳心兄さんを避けるように話を進める―――――…
