
山岸君と照井君
第19章 答え―――……。
「――――…聞こえない…」
嘘――――…
ちゃんと聞こえてる…
でも――――――…何度も…
聞きたいんだ…
お前の…声で―――――…
俺は、苑心の体をゆっくり…向かい合うように動かす…
シャワーが…流れ続けて…
二人の間には…水のカーテン…
「――――…好き…って…
もう一度―――――…」
水のカーテンをくぐり…
俺の唇は……苑心の唇と…重なる―――――――…
「――…き…こえ…てる…じゃ――――…ない…か」
唇を優しく重ねたり…離したり…する…その隙間から…
苑心の……声が漏れる…
「―――…聞かせて…」
俺は、苑心を抱きしめ…優しく…頬を撫でる…
シャワーで濡れた…髪と―――…
潤む瞳が…リンクし…
苑心が…綺麗に見えた…
「///……好きだ……宏樹…」
すると――――…
苑心の手が―――…俺の頬を包み――…
“好きだ…”の直後…俺が唇を奪われる形になった―――…
苑心は、瞳を閉じ…
背の高い俺に合わせる様に爪先で立ち…
キスを返してきた――――…
