友達以上恋人未満
第7章 時間
彼がうちまできて、
すぐ帰らなきゃいけないから
という理由で、
部屋にはあがらず
車の中で会った。
「久しぶり。」
彼は、私を抱きしめてはくれない。
「今日も学校がんばった?」
いつものようにそう聞いてくれる。
「うん、がんばったよ。」
そう答えても、頭を撫でてはくれない。
「ごめんな、かっこ悪くて、俺。」
彼は、私から目線をそらして、
そういった。
「お前は何も、悪くないから。」
そして、彼は真っ直ぐ前を向いたまま、
ゆっくりと言った。
「本社、転勤決まったよ。
なるべくはやく行って、
引き継ぎを受けなきゃいけない。
すぐ部屋も探して、引越し。
ごめんな。」
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