【S】―エス―01
第7章 再会の旋律
木製のドアを2、3度ノックするも応答はなく、賑やかな蝉の鳴き声だけが一帯に響く。
今度は、茜がドアを叩き呼びかける。
「お父さん私、茜だよ! いるなら返事して!」
だがやはり届くのは、無言の返答。
何か様子がおかしい。そう感じた瞬矢は、右手で茜を1歩後ろに下がらせドアノブを掴む。
ドアノブを回してみると玄関に鍵はかかっておらず、恐る恐るドアを開ける。
室内は、照明など一切ついてなく窓からの明かりのみで薄暗い。部屋に立ち込める臭いに手で鼻と口を覆う。
広いリビングの真ん中、確かに【それ】はあった。
ぶらんと宙に垂れた両足。梁(はり)に結わえられたロープ。
顔は逆光でよく見えないが、眼鏡をかけた男の姿に瞬矢は見覚えがあった。
(この男、まさか……)
今度は、茜がドアを叩き呼びかける。
「お父さん私、茜だよ! いるなら返事して!」
だがやはり届くのは、無言の返答。
何か様子がおかしい。そう感じた瞬矢は、右手で茜を1歩後ろに下がらせドアノブを掴む。
ドアノブを回してみると玄関に鍵はかかっておらず、恐る恐るドアを開ける。
室内は、照明など一切ついてなく窓からの明かりのみで薄暗い。部屋に立ち込める臭いに手で鼻と口を覆う。
広いリビングの真ん中、確かに【それ】はあった。
ぶらんと宙に垂れた両足。梁(はり)に結わえられたロープ。
顔は逆光でよく見えないが、眼鏡をかけた男の姿に瞬矢は見覚えがあった。
(この男、まさか……)
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