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小春食堂【ARS】

第15章 自分だからできること【和也】

「俺や営業が無茶な納期の仕事とってきても、デザイン室のみんなが遅くまで頑張って間に合わせてくれてるのに…。」


山さんは、首を振った。

「社長や営業が注文をとってきてくれるからこそ、僕らの仕事があります。」


俺は、目頭が熱くなった。
涙が込み上げてくるのを見られないように、山さんに背中を向けた。


「鈴木産業さん、また仕事まわしてくれるって言ってくれましたよ。次も、山さんにやってほしいって…。」


山さんはわずかに微笑んで、はい、と返事をして、作業に戻った。


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