テキストサイズ

単なる幼馴染みじゃなかったんだ!!

第6章 美夏と俺達

俺達は美夏にどう接すればいいか考えてた矢先、美夏が居なくなった。
美夏:母「美夏がずっと塞(ふさ)ぎこんでて・・・。」
雅「いつ気付いたんですか?」
美夏:母「さっき・・・2、3分前、玄関のほうで音がして・・・部屋を見たら、どこにも居なくて・・・。」
雅「俺達、探して来るから!!母さんと一緒に居てて下さい。」
俺達は美夏の行きそうなところを探したけど見つからない。
春「どこ行ったんだよ!!」
俺達はいろんなところを思い浮かべる。
雅「あっ、一つ忘れてるところがある。美夏と初めて会ったところが!!」
春「あの公園かぁ!!」
亮太「行ってみよう!!」

美夏と初めて会ったのは、幼稚園の頃だったかなぁ。髪をリボンで結んで、女の子らしい可愛い服や靴だった。ここらへんでは見掛けた事がない可愛い子だった。だからってわけじゃないけど、俺達の初恋は、この時に経験した。

あの思い出の公園・・・見つけた。
雅「美夏?」
美夏「・・・。」
春「雅・・・救急車だ!!美夏の手首!!」
雅「えっ⁉」
美夏の手首からは、血が流れて・・・。
春「雅!!しっかりしろ!!早く救急車!!」

10分後

救急車が到着して病院に担(かつ)ぎ込まれた時間。

治療室の外

雅「なんでだよ!!」
春「これだけ追い込まれてたって事か⁉」
亮太「一番苦しい時に気付いてやれなくて・・・。」
健「俺達があの時、あんなふうに突き放さなかったら、美夏はもっと俺達の事頼ってくれたのかな?美夏、俺達と一緒に居すぎて友達いなかったし・・・。」

カチャッ

美夏:母「先生!!」
医者「大丈夫ですよ。傷が浅かったのと発見が早かったので・・・。」
美夏:母「先生?」
医者「お嬢さんが・・・。」
美夏:母「もしかして?」
医者「生きる事を拒んでます。今は、鎮静剤で落ち着いていますが・・・会われますか?」
美夏:母「はい。」

おばさんだけが入った。
おばさんの泣き声しか聞こえない。

10分後

出て来たおばさんは、泣き過ぎて目が腫れていた。

美夏:母「・・・美夏って呼んでも・・・。」
おばさんはまた泣き出してしまった。

病室に入っても、ぼんやりと窓の外を眺めている美夏。

俺達は、どうしたらいいか考えあぐねていた。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ