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未来感染775

第2章 過去と拒絶

(ん?…なんの話だ?俺が預けられた子供?

そんなの初耳だ、でも俺は物心のついた時からこの家にい───……。

ん?でも待てよ?物心のついた時?

今思うと幼稚園、小学校の記憶が無い。

いや、
中学生の頃あたりからしか記憶が無い)



『記憶が無い』



時間がたって小さい頃の事を少し忘れて

しまうのは仕方のないことだし、

当然だ。


でも俺は違う。

忘れたのではない

『無い』のだ。






耳をすませると家の中で

母と父はまだ口喧嘩をしている


何故だろう。

親が、本当の親じゃなかった。

愛されていなかった事よりも

自分の記憶がないことのほうが
大きなショックに感じた。

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