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初カノはエロうさ

第2章 見たい!見せたい!欲張りな彼女

午前中からの講義のため、早目に大学へと向かう。

(今日はうさこ、何時からだったかな…)

ご丁寧に送られてきたうさこのスケジュールを開いて確認する。

ちなみに、俺のスケジュールは把握済みだからとうさこは笑っていた。

……ストーカーだな、それ。

そう思うのに、

そんなにも俺に関心を持ってくれて、

そんなにも俺でいっぱいになってくれる。

そんなうさこを、ちょっと嬉しく思う自分もいる。



「伊久美くん」

カフェの片隅で、うさこを思い浮かべて込み上げる笑いを噛み殺す俺に、、

「あれ?夏帆?」


三雲 夏帆[みくも かほ]

俺の所属するバスケサークルのマネージャーが声を掛けてきた。


一つ年上の夏帆は、細やかな気配りが出来て仕事も早く完璧にこなすと評判がいい。

美人で、スタイル良くて、胸だってデカイのに、それを敢えて強調しないから、サークル内のみならず学内外までに ”平成の大和撫子” と人気が高い。


そんな夏帆に連れられた俺は、サークルでよく使う建物へと来ていた。

昼間だってのに、省エネだと消されている電気。

しかも、この時間、人の行き来はほとんどない。


(実は…暗い所苦手だったりするんだよなー…)

記憶もあやふやなくらい小さい頃、

夜になっても帰らない母親をただじっと家で待っていた俺は、

スイッチまで手が届かないから自分で電気を点けることもできなくて、

どんどん暗くなっていく家の中で、少しでも明るい所を求めて移動して…そのうち真っ暗になって怖くて泣きながら寝てた。

他の記憶はあやふやなのに、その恐怖は鮮明に残っていて、こんなデカくなった今でも暗い所が苦手だ。


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