センシティブ♥ボーイ
第27章 一人しかいない
ずーっとずーっと待って。
辺りが暗くなっても鈴木くんは帰ってこない。
携帯を見ると、時間は23時を指していた。
あ………予備校さぼっちゃった…
お母さんに今日は友達の家に泊まるとメールを送った。
すぐに返事が返ってきて、そこには鈴木くんによろしくね、と書いてある。
お母さんの中でも、僕の友達は鈴木くんいかいないと思っているみたいだ。
『もう、友達じゃないからな』
僕たちが恋人同士になった夜、鈴木くんはそういった。
僕はその言葉がとっても嬉しかったけど。
不安でいっぱいの今、その言葉は僕にとってあまりに残酷な言葉だ。
鈴木くんのことを一瞬で疑って、自分の都合で嫌いなんて。
僕は本当に最悪なことをしてしまった。
きっと、鈴木くんはこんな僕に愛想を尽かして、僕のことなんて嫌いになってしまったと思う。
きっと別れてって……言われちゃうんだと思う。
自業自得だけど……
友達でもいい。
鈴木くんと、細くたって切れそうなものだって、つながりが欲しい。
だけど…友達でもないのなら、
鈴木くんと何にもつなげてくれるものがなくなっちゃうんだ…。
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