
センシティブ♥ボーイ
第24章 あいつのために
『ふぁ…ぁ…あぅ…っ』
そーっと、そーっとだ。
音を立ててはならない。
立ててバレたらマサに殺される。
眼鏡の奥の可愛い瞳を見ようとしただけで、あんなに必死に抵抗されたんだから。
それをこんなところを見てたなんてバレたら、俺の人生が終わる。
せめて、最後まで見ないという取り組みをしよう。
『あぁ…っん…ぅ』
サトゥー声でかいよ。
これじゃあほかのやつらに覗かれても文句言えねーぞ!
あとちょっとだ。
あとちょっと。
ゆっくーり扉を開けて。
中へ足を踏み入れて……
よし!きた!これであとは…ドアを…閉め……
「おーツル!屋上いってたの?」
ビクゥっ
バタン!!!
「………」
「お、おいツル?」
「………」
い、いま……扉…
「お、おいなんでそんな涙目…」
「ば、ばっかやろーーー!!!」
友達に声をかけられたくらいで飛び上がって扉を力尽くで閉めてしまう、自分の弱い心臓と手を呪った。
