センシティブ♥ボーイ
第22章 蛙はカエル
「まさしくんはあ?まさしくんは、カナのこと、すきぃ?」
「おー、好きだぞー?こんなに可愛い奴みたことねーよ」
「きゃはははは、くすぐったいー!」
…いいなあ……
いちゃいちゃ…
ずるいよ、カナ…
鈴木くんは、僕に会いに来たのに…
カナに会いに来たわけじゃないんだぞ。
可愛いって…僕言われたことないな…
男だから、当然だけど…
カナはいいなあ…
カエルもいいなあ…
僕…女の子の格好とかしてみようかな…
そうしたら鈴木くんも…
僕の方…向いてくれるかなぁ…
「カナ?お買い物いくよ。」
「ええー?もうちょっと…」
「ほら、聖司くんはお兄ちゃんとお話に来たんだから」
「……ぅー…」
風邪のせいかどんどんネガティブになっているところに、ようやくお母さんが迎えに来てくれた。
バタンと扉が閉まる音がして、足音がこちらに近づいてくる。
「佐藤…?寝ちゃった…?」
僕は背を向けて、身体を丸め込んだ。
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