センシティブ♥ボーイ
第20章 金髪頑張る
ゆっくりと滲んだ視界をそのままに、顔をあげる。
その姿をみて、また涙がボロボロと溢れた。
ゴシゴシと制服の裾でこすると、そこには息を切らした鈴木君がいて。
「お前…俺のこと、好きなんだろ?じゃあ、いいだろ?」
そう言ってニカリ笑う。
じゃあ、いいって何が?
もういいってこと?
何がいいの?
わけがわからなくて、また涙が出る。
うずくまって、自分の膝に顔を埋めた。
「僕……っもう帰るから…っ」
「……」
「鈴木くん…帰って…っ」
引かれたくない。
嫌われたくない。
嫌いだと言ったことを取り消したいのに、大好きだと言ってしまったら、引かれてしまうのは嫌だった。
鈴木くんにそんな目で見られたくない。
だったら、もうなかったことにしたい。
鈴木くんと話す前の僕に戻りたい…
「お前なあ…、」
鈴木くんは座り込むと、僕に目線を合わせて溜息をついた。
作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える